第7回コラム:アトピー性皮膚炎とステロイド外用剤について

1990年代に始まったステロイド外用薬に関する誤解や誤った報道により、アトピー性皮膚炎の「脱ステロイド」と呼ばれる不適切な治療が横行し、多くの患者さんが不利益を被った歴史があります。
日本皮膚科学会は「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」を策定し、標準治療の普及に努めています。その結果、ステロイド外用薬に関する誤解や誤った報道は減ってきましたが、未だにマスメディアはときどき科学的根拠に裏打ちされていない情報を基に患者さんの利益にならない放送・報道をすることがあります。

○ステロイド外用薬の使用を、種類も使用法も区別すること無く否定し、ステロイド外用薬を用いた治療中の患者さんに恐怖と不安をあおる。

○脱ステロイド「療法」という用語を用いることで、ステロイド外用薬を使わないことをひとつの治療法として、あたかも疾患が治るかのごとき期待を抱かせる。

○ステロイド外用薬を使うことの危険性を把握し、「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」に沿って診療を行っている医師と患者さんに不必要な不安と妨害を与える。


といった内容にはインターネットでの検索結果も含め、注意が必要です。